年だからでなく年がいもなく
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サムマネー
よく『人間は3つのものがあれば生きていける。それは「希望と勇気とサムマネーだ」』という言葉を耳にする
サムマネーという言葉は、人生の中でお金の占める位置についての的確な表現として重宝がられている
この言葉はチャップリンの映画「ライムライト」に出てくる言葉である
サムマネーが広まっているので映画の訳にもこの言葉が使われているとばかり思いこんでいた
それが違っていたのである
映画は戸田奈津子さんの訳であるが、戸田さんは「a little dough」という台詞を「「僅かなお金」と訳している
それがなぜ「サムマネー」という言葉が映画でも使われているように広まってしまったのか
漫画家のサトウサンペイは文芸春秋季刊夏号「映画が人生を教えてくれた」に「勇気の出た映画」と題して次のように書いている
『バレリーナが足が動かなくなり、ガス自殺をはかる
それを老喜劇役者に扮したチャップリンが助け出し、淡い恋心を抱きながら、力づけてゆく物語である
ベッドに寝たままの彼女が「どうしたら生きていけるの?」聞く場面があった
窓際にいたチャップリンが真顔で答える
「人間、3つのものがあれば生きていける。希望と勇気とサムマネーだ」と
あ、そうか「サムマネー」でいいのか
「マッチマネー」でなくても生きていけるんだ!そうだサムマネーでいいと思ったら「勇気が出るんだ!希望に向かえるんだ!」』
という風にサトウサンペイは「僅かなお金」でなくて「サムマネー」と思い込んだ、というのである
その後サトウサンペイは大丸を辞めて漫画として独立するときにマスコミから取材を受けた
そのときに自分の思い・決意をわかりやすく伝えようと思い、自らをライムライトのバレリーナに置き換えて「希望と勇気と僅かなお金」というべきところを「希望と勇気とサムマネー」と話したのだそうだ
またいろいろな雑誌などにもサムマネーをいう言葉で書いたそうである
そういう風にしてサムマネーは広まっていったというのである
『その後輸入元の映画会社から「ライムライト」を再公開するので、「希望と勇気とサムマネー」をポスターのキャッチフレーズに使わせてくれといわれた
電車の中吊りで確認した
このとき、戸田奈津子さんを超えたのである。』とも書いている
「サムマネー」という言葉はいい言葉である
不安のなかでお金について多くを欲しても身に着け得る限度というのがある
老後を迎えるにあたり身に着けたお金が十分でないと不安に思う人も多いと思う
いくらお金を準備すればいいのか迷う人も多いと思う
サムマネーは自分で用意できるお金の範囲でいいんだと思えると気が楽になる
「サムマネーでいいんだ、大事なことは希望と勇気だよ」
と自分に言い聞かせながら残された人生の充実を図っていけるような生き方を目指していければいいのではないか
2009.07.08:
choro
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