年だからでなく年がいもなく
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「楽しみは」橘曙覧 独楽吟の世界 − 1
新井満(自由訳・編) 講談社
○ 豊かな国になったのに、暗いニュースは毎日、自殺者はここ数年3万人を越えている
人々は幸せでないのだろうか
もしそうだとすれば、なぜそうなったのだろう
豊かさと「幸せ感」の間につながりがないのだろうか
○ がんになって命に限りがあることを意識したら、生きているだけで幸せと思える生き方をふと考えることがある
そのような生き方を支える「幸せ感」とはどういうものなのだろうか
そのような「幸せ感」を見つけるヒントがこの本のなかにありそうな気がする
○ 独楽吟が提案する“幸せな生き方”とは次のような生き方
1.こだわりを捨てること
2.日々を楽しむこと
3.家族があること
4.楽しくなごやかに
5.夕餉をとること
著者は「独楽吟」の和歌を基にしてこう言い切っている
「お金や物や名声や地位や出世などに対する一切のこだわりを捨て去ること
日常生活の片隅に生まれては消えていくかすかな変化を見逃さず、1人を楽しみ、2人を楽しむこと
なおその上に家族があって、一家全員で楽しくなごやかに夕餉をとることができるなら、これ以上の幸せはない」と
○ 著者 新井 満氏とは
作家、作詞作曲家、写真家、環境映像プロデューサー
長野オリンピックの開閉会式イメージ監督や、「千の風になって」の作詞者として知られている
○ 和歌の作者 橘 曙覧(あけみ)とは
今から150ほど昔、江戸末期に、現在の福井市に生きた歌人
1200首以上の和歌を残したが、とりわけ「独楽吟」と題された52首の連作は素晴らしいと言われている
いずれの和歌も「たのしみは・・」で始まり、「・・・するとき」で締められている
和歌の歴史の中でも、異色中の異色とされている
彼は貧乏であった。それも超一流の貧乏であった
しかし、貧乏な日常生活のそこここに隠れている、小さな喜びや楽しみを発見しては、<ああ、生きていてよかった>と感動する、いわば“幸せさがしの天才”でもあった。その実体験レポートが「独楽吟」に結実したというわけ
2009.05.19:
choro
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