年だからでなく年がいもなく

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「おひとりさま現象」と題して上野千鶴子は述べている

『「おひとりさま現象」が生まれている

これまで「家族のなかの老後」が一番幸せと思われてきたが、ほんとうにそう
だろうか?
高齢者の同居率を経済階層別にブレイクダウンしてみると、おもしろいことがわかる

高経済階層ほど別居を維持する世帯分離派、低経済層は、子世帯が親にまで手
がまわらない「姥(うば)捨て」別居派。中間層に、かえって同居率が高い。
二世帯を維持するのは、余裕と選択の産物なのである。
「家族のなかの老後」は、場合によってはリスクになる。家族は、政府の言う
ように「福祉の含み資産」にもなるが、逆に虐待やストレス源などのリスク要
因になる。介護関係の専門家は、ひとり世帯の方が同居世帯よりも問題に対処
しやすい、と証言する。家族が立ちはだかるために、みすみす問題があるとわ
かっている家庭に介入できないのだ。考えてみれば、「おひとりさま」は、家
族に期待もできないかわり、家族がリスクになる可能性からもまぬがれている』

▲ 老後の一人暮らしについて関心を持たれている方は、上野千鶴子という名
前を見て「おひとりさまの老後」(法研)という本を思い浮かべることと
思います
75万部も売れてベストセラーになりました
▲ 上野千鶴子は家族社会学が専門の学者です。
上野千鶴子さんはこの本で、統計上80才以上になると、女性の83%に配偶者
がいないと指摘しています
そういう状況を踏まえたうえで、住まいの選び方、人間関係の築き方、介護
死に至るまで、専門の分析をもとに豊富な事例を紹介しています
女のひとりの老いの基本的なガイドブックといわれております

▲ 今おひとりさま現象が増えてきているのだそうです
結婚しないこと、子どもと同居しないこと、夫に先立たれることなどがそ
の要因といわれておりますが、女性の老いはすでに5人に一人が「おひと
りさま」であるとか
男性高齢化のお一人は少数派ですがそれでも増加傾向にあり、増勢は男の
方が大きいのだそうです

▲ これからの中高年が人生100年社会の初代として、新しい老いのライフスタ
イルを模索し、創造しなければならない。そのキーワードが「ひとり」

▲ お金や生きがいなどいろいろ心配ですが、なんといっても寂しさと介護の
ことが気にかかると思います

▲ 老いの「おひとりさま」に関心のある方は下記のような本を読んでみられ
たらどうでしょうか
『「ひとりの老後」はこわくない』(海竜社・松原淳子)
  『ひとりの老後を心楽しく生きる方法』(海竜社・吉武輝子)
  『女の活路 男の末路』(中央法規出版・袖井孝子)

2008.09.15:choro:count(2,210):[メモ/キャリア]
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