年だからでなく年がいもなく
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歌 「吾亦紅」
友人とカラオケに行った時、友人が歌いだした歌が妙に印象に残った
「なんという歌?」と聞いたら「吾亦紅(われもこう)」という答え
どこかで聞いたような歌だなーと気にかけていたら、ふと思いだした
昨年の紅白の舞台に突然のようにして表れたことを
賑やかな舞台のなかで聞いた歌は、それまで歌われていた演歌や若者の歌とは異質なものを感じさせる歌であった
歌い手の風貌と歌い方がその思いを強くした
歌詞のなかに「さらさらゆれる われもこう」とある
われもこう(吾亦紅)という言葉が植物を表す言葉とは知らなかった
検索してみたら下記のように出てきた
『植物の名前で「吾木香」とも書く。秋の高原で咲く暗赤色の丸い花穂が面白い。丸い団子のよう。花は上のほうから下のほうに順に開花していく。秋の十五夜のお月見にはススキとともに欠かせない』
歌の「吾亦紅」は息子が母の死を悲しみ嘆いて歌う「哀悼歌」である
歌の最後を「あなたに あなたに 見ていて欲しい 髪に白髪が 混じり始めても 俺、死ぬまであなたの子供」で締めくくる
でも単なる「哀悼歌」だけなのか
歌詞のなかに「あなたに、あなた、に謝りたくて」というフレーズが2回出ている
「後悔の歌」であり、息子が親に謝る「懺悔の歌」とも言えるかも知れない
「小さな町に 嫁いで生きて ここしか知らない 人だった・・・それでも母を生ききった」
「あなたは あなたは 家族も遠く 気強く寂しさを 堪えた」
母親は子離れして孤独に耐えていたというのに
「あなたに あなたに威張ってみたい 来月でおれ 離婚するんだよ そう、はじめて自分を生きる」
息子は親離れができていなかったのか・・・
「自分を生きる」とはどういう意味、「自分らしく生きる」とはどう違うの
いろいろと考えさせてくれる歌である
歌に描かれているような、戦後の貧しさを経験し、家族を大事にしながら生き抜いた母親像と、高度成長期に「会社人間」であった中年期の息子像は、妙に身近に感じられる。共感を呼ぶのである
我々の時代の一般的な母・息子像ともいえるのかもしれない
歌詞の一つひとつが自分のことにように心に入り込んでくる
曲の音階も我々日本人のDNA的な音階のような気がする
有線などでじわじわとリクエストが増えてきて、紅白出場煮に結びついたと耳にしたが、我々の世代には受け入れられやすい歌なのかもしれない
カラオケで歌ってみたい歌である
2008.08.03:
choro
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