年だからでなく年がいもなく
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映画 「ノーカントリー」
最初から警官殺しの衝撃的な映像でびっくり
心臓をわしづかみにされたような緊張感が終わりまで続きます
「13日の金曜日」や「ハンニバル・レクター」を思い起こさせられる恐怖的映画
一緒に観た女房がさぞかし怖かっただろうと思って気遣っていたら、意外にそうでもない様子
ということは、恐怖を超えた何かがあるような映画かもしれません
悪の極みを見せつけられながら、怖さを通り越して何かを感じてしまうのでしょうか
麻薬密売現場から金を奪って逃げる男モス、それを追いかける殺し屋シガー、モスの身柄を保護し、殺し屋シガーを捉えるために二人の行方を追いかける保安官3人の物語
舞台となる殺伐とした西部の町の景色が、殺戮さと恐怖に対して彩をそえる
抑制された音楽も不気味さをつのります
すざましい銃撃音や車の衝突音にショックを感じましたが、その音が妙に耳に残ります
殺し屋シガーのキャラクターが印象的です
スペインの俳優を起用していますが、風貌、立ち振る舞い、話し方など恐ろしさのなかに独特の魅力を遺憾なく発揮しています
追う男シガーと逃げる男モスの言動に、ベトナム戦争での後遺症を引きずっているかなと思わせるような素振りがみられました
ルールに対する忠実さ、殺すと決めたら逃さない執着心、酸素ボンベを使っての改造ガンや、傷病の手当ての仕方、などなど
毎日のように簡単に人が殺されるニュースがあふれています
人間の心の中には深くて大きい闇の部分を秘めているのかもしれません
この映画を観てそう思いました
脚本・監督はファーゴなどを世に出したコーエン兄弟です
2008.05.19:
choro
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