choro note
▼ジョブカード・1
ジョブカードについて12月14日の河北新報、12月24日の日経新聞に掲載された記事をまとめてみました
(1)見出し
●フリーターなどの職業能力開発をめざす
●機会の不公平是正
●訓練機会提供し成果を公的認証
●新たな職業訓練制度として2008年度に導入され
●来年度から5年間で百万人程度の利用を目指す
●企業などでの職業訓練の修了者数の目標を5年間で四十万人とする
(2)制度の基本
1)これまで実践的な職業能力の機会に恵まれなかったフリーターや子育てか
     ら手が離れた女性、母子家庭などに、企業現場や教育機関なのでの実践
     的 な職業訓練の成果を公的に認証して就職活動などに役立てるように 
     することにある
2)この政策は、雇用保険失業者の生活を支えるような消極的労働市場政策に
     対して、求職活動を続けられるように支えられことで失業者を減らそう
    という積極的労働市場政策である
    労働力需要が冷え切っていれば効果が低いという批判はあるものの。現在
    のわが国のように一方でミスマッチがあると言う状態には効果的な政策と
    なる
3)わが国の企業は現場主義での能力開発にたけているといわれている。実
    際、中途採用の場合、ほとんどの企業が他社での経験を評価しているだろ
    う。それだけ現場の力を皆が信じている社会である。
4)そうなると未経験の若者や母子家庭の母親などはある程度の収入が見込ま
    れる仕事を探すのは大変難しくなる
5)途中参入する人たちに対して、職業能力向上の目標を明示し、そのための
    手段を提供することは重要だ
  
(3)基本の具体的展開方法
1)「ジョブプログラム」(=企業現場などでの実践的な職業訓練である「職
    業能力形成プログラム」または、大学・短大・高専・専門学校での「実践
    型教育プログラム」を受けることで「職業能力証明書」が発行される
2)「ジョブカード」は、この証明書のほか、自分の職歴や教育訓練暦、取得
    資格などの情報を一体的にまとめたものの総称で、ジョブプログラムを受
    けない場合も、求職者が職務経歴などのわかる記録をキャリアコンサルタ
    ントに提出して確認されれば、職歴部分などに関する部分は交付されるこ
    とになっている
3)ハローワークなどの相談員の指導を受け、同カードを作成する
4)希望者は企業などの実施する職業訓練を受ける
5)企業側に職業能力の評価などをカードに記入してもらい、職業能力証明書
    とする。採用の際の客観的なデーターとして活用することを想定している
6)ジョブカード構想の流れ
   @ 利用者(・フリーター ・新卒者・ 子育て終了後の女性 ・母子家庭
       の母)→ 
   A ハローワークなど(・ジョブカードの入手、記入 ・専門家による相
       談、所見記入)→ 
   B 企業、教育訓練機関(・訓練の実施 ・評価 ・職業能力証明書交付
       )→ 
   C ハローワークなど(・専門家による所見記入) → 
   D 就職
7)職業訓練は。「有期実習型」などの四種類あり、企業と雇用契約を結び、
    賃金をもらうプログラムも設ける
8)政府が費用の一部を助成するケースもあり、実習などへの企業の参加を呼
    びか けている
(4) 企業の側にとっても有効な仕組みに
1)一定期間の企業実習を提供することになるが、そのカリキュラムは自社の
    人材ニーズを反映するかたちにコーディネートできる
2)その際、「汎用性のある評価基準」に基づくことが要請される
3)この評価シートやカリキュラム策定には、新たに設置される「地域ジョブ
    カードセンター」などによる支援がある
4)現場実習に教育訓練機関で体系的な学びを一定期間組み込む必要がある
    が、この期間は雇用機関からは除かれる
5)訓練経費などについては、訓練実施企業にとって過度にならないように助
    成の仕組みができる
6)訓練受講生へは資金融資などの経済的支援が組み込まれる構想だ
7)訓練終了後は、同企業で正式採用になる場合とならない場合の両方が想定
    され ている
8)訓練カリキュラムの作成は、現場に必要な職業能力を改めて確認・整理す
    る機会となることもメリットだろう
9)多様な人材がそれぞれに能力を伸ばし、全体としての高い生産性の職場を
    築くには、こうした能力の棚卸しとそれに応じた適正な処遇が欠かせない
10)暗黙知になりがちな職場の能力をいま少し明示化する契機となることが、
    この制度導入だといえるのではないか
  
2007.12.28:choro
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