choro note

▼「資格登録更新研修」受講

運転免許の更新研修ではない
日本産業カウンセラー協会の資格登録更新研修である

詳しい理由はわからないが、今年になって資格を更新するためにポイント制度が導入され、研修受講が必要になった
短時間の研修受講で質の向上が図れるのか、資格認定者の粗製乱造をして数だけ増やしてきたことへのにわか対応ではなかろうかなどと思いなら会場の「ハーネル仙台」へ向かった

演題は「私とカウンセリング」
講師は 千葉商科大学講師の上嶋洋一先生
講義は生の講師講演でなくパソコンの動画を使っての講義である

更新研修と銘打っているからには、心理学やカウンセリングの基本的理論や実践スキルの話かと思って聞いてみるとそのような講義内容ではなかった

講師はこの研修の狙いとして、自分の来しかたの振り返りを行い、自分のカウンセリング観に影響を与えた原体験を思い起こし、そしてカウンセリングを学び始めた初心や「これからの自分」について想いを馳せてほしいと話す

本題に入りまずは講師のカウンセリングについての基本スタンスについて下記の2点を述べる
@どっぷりとひたること
いいとかわるいとか、好きとか嫌いとか、正しいとか正しくないとか、でなく、
まずは相手の世界にどっぷりと浸ってみることが大事である
A距離を置いて見つめること
その経験にはどういう意味があったのだろう、これは何なんだろうと読み解いて
みることが大事である
今の時代は、距離を置いて見つめることが強すぎる。どっぷりとひたってみようと
主張する

そして講師の原体験について、12の具体的事例をあげて述べる
12の事例についての解説は具体的でわかりやすく感動的である

原体験を思い起こし、それに意味づけすることと講師のカウンセリング観との結びつきの話があるともっとわかりやすかったのではないかと思う

キャリア形成のなかで「ふりかえり」を行い、自分を見直すという作業を行うが、講師の主張する原体験を思い起こすということも「ふりかえり」作業と基本的に同じことかと受け止める


講師の体験話の中で印象に残った話

○本を読むときはストーリーを読むのではなく、ストーリーに向いあっている自分
の心を読む
カウンセラーは相手の心を読むことはできない。クライアントと向いあった自分
の心を読む
自分自身の心を上手に読むことができるカウンセラーがうまいカウンセラーであ
り、自分の成長につながる

○質問には情報を集めるという以上の大事なことがある
質問という形で人間的関心を示すこと
アドバイスが上手にできるカウンセラーから上手に質問できるカウンセラーを目
指す

○科学的現象を誰にでもわるように説明できる力が必要
力をつけるために、日常あらゆることにアンテナを張り巡らせ、使えるものを見つ
けて使っていく
カウンセリングの目指すところは「生きているだけでいい」という感覚

○自分の原体験を思い起こし、そこから意味をくみ取る
いろんな人から意味をもらっている
蓋がしまっていて中に何が入っているのかわからない
あとになってわかる

講師は最後に自分のカウンセラーとしての立ち位置について話した
それは治療の中心に共感的愛を置いて、薬を使わないで治療するカウンセリングである
傾聴をベースとした来談者中心療法の流れなのだろうか

幅の広く深さがある話なのでくみ取れない部分が多かったのかもしれないが、講師自身の経験を自分の言葉で丁寧に語ってくれたので高齢者には聞きやすい研修であった




2010.11.26:choro

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