choro note

▼組織診断結果

大学病院の採血センター着いたのは7時10分
すでに20人が並んでいる
採血終了したのが7時45分
外来で呼び出しがかったのは9時過ぎ

診察室へ入ると主治医が細かい字がびっしりと印刷された書類をじっと見ている
なにか良くない診断がくだったのだろうかと不安になりながら先生の言葉を待つ

「長山さん体調いかがですか」といういつもの切り出しから始まる
「がんの組織検査の診断の結果がでました」
「結論から申しますとすい臓がんの肝臓への転移ではありませんでした。全く新たに肝臓に発生した胆管がんでした。正式には「肝内胆管がん」といいます」
「組織を顕微鏡で調べた病理担当医も入って医局のカンファランスで検討したうえでの診断です」
「3ヶ所切り取って調べたリンパ節も異常なしでした」

主治医はさらに付け加える
「すい臓がんの肝臓への転移と決めて治療してきましたが、もし新たに発生した胆管がんとわかっていればもっと早く手術していました。転移でないと診断できなかったわれわれが未熟でありました」と言ってくれる

主治医から手術前に5%くらいの割合で、転移がんと思って手術してみたら新たに発生したがんという症例があるという話は聞いていた
その話はそれ以降出てこなかったのだ

謙虚な発言に動かされて「でも先生そういう中でも先生も私も早く手術を選択して決断したのは良かったですね」と言ってしまう
手術以外にもっと様子を見る、抗がん剤を使用する、という選択肢もあったが両者から手術をしましょうという話が飛び出して、バタバタと決めて行った手術だったのだ

主治医はびっしり書かれた書類(病理診断報告書)を拾い読みして話をしてくれるが、新らたに発生した胆管がんの性質や悪さ度について知りたいと思ったので、質問してみる
主治医は5年生存率の数字で答えてくれた

「すい臓がんの5年生存率が10〜20%というのはご存知ですよね。それが胆管がんでは30%〜50%になります」と言い、さらに「私が長山さんの立場でしたら大いに喜びますね」と付け加えてくれる
その主治医の言葉を聞いたとたんうれしさがこみあげてきた
つい『女房に、「先生も喜んでくれた」と報告させてもらいます!』と言ってしまう


今後の治療方針について話が移った
決めたことは
@胆管がんの抗がん剤もすい臓がんと同じく、TS1とジェムサールであることの紹介あったが、予防のための抗がん剤は使用しない
A3ヶ月ごとのCT・MRI検査の実施
B毎月採血を行い、腫瘍マーカー(これもすい臓がんと同じ)の推移と健康状態を把握していく
以上の3点である

胆管がんとわかって喜べるのも、手術しても再発100%し死亡率も同じくらいと極めてたちの悪いすい臓がんと比べての話
たちの悪さが少しすくないというだけで、やはり再発防止のためには今までと同様の日々の生活のなかでの対策療法が必要である

何度も紹介した帝京大の跡見教授の「ふつうすい臓がんが肝臓に転移するとどんな治療をしても無駄に終わってしまいます」という1文を思い出す

喜びを感じながらもすい臓がんの再発防止も視野に入れた厳しい再スタートをしなければいけない

病院から女房に電話する
その足で○○大学のカウンセリングを行うためにバスに乗る
青空をバックにして山々の紅葉がひときわあざやかに目に飛び込んできた

2010.11.09:choro
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