choro note
▼映画「十三人の刺客」
退院してまだ1ヶ月経っていないので、難しい映画は避けて面白い映画を観たいと思った
その選択に適ったのが「十三人の刺客」である
予告編やテレビで宣伝などから痛快戦闘時代劇だと思ったからである
徳川将軍の弟である極悪非道の明石藩主、松平斉昭(稲垣吾郎)の暗殺を企てる島田新左衛門(役所広司)率いる13人の刺客と斉昭の腹心であり、島田新左衛門とは学びを共にした鬼頭半兵衛(市村正親)を首領とする家臣団との群像戦闘ドラマである
勧善懲悪的に残虐極まりない明石藩主の狂人的な振る舞いが映し出されると観客は義憤にかられていつしか暗殺に加担するような気分にさせられてしまう
虚無的狂人的暴君役をジャニーズの稲垣が好演している
戦闘シーンがメインの映画であるが、庄内映画村のセットを存分に活用し、13人対200人の戦闘を存分に画にしている
参勤交代の途中で待ち伏せるための戦略や村を買い切って戦闘の準備をする戦術などがあって面白い
特に最後の50分は13人対200余人の刀を使っての切りあいシーンは少々長すぎる感はあるが圧巻である
最後は暴君藩主と島田新左衛門との一騎打ちとなり、新左衛門が暴君藩主を切り殺すが自ら命を落とすということでエンドとなる
分かりやすくて面白く、退屈はしなかったが何物足りなさを感ずる映画である
明治維新の20年前という時代背景のなかで、武士の大儀、武士の魂を追及しているようなところもあるが、うまく伝わってこない
日本のトップクラスの豪華な俳優を沢山使いながら、個々の人物像がうまく描き切れていない
もったいないと思う映画である
この映画を観ながら「七人の侍」を思い出したが、比較するのには無理がある
この映画は漫画を映画にしたと考えたほうが割り切れる
その視点で観るとまた違った面白さが見えてくるはず
この種の映画が好きな人には傑作に近い映画として観ることだろう
結構残逆なシーンやどぎつい場面もでるが、漫画的映画と観れば気にならない
残虐場面嫌いな女房も気にしないで観た上に「面白かった」という
病み上がり鑑賞の映画選択としては間違っていなかったようである
2010.11.02:choro
⇒HOME
(C)
powered by samidare