choro note

▼入院日記 その2

9月26日(日)

10時から主治医であり手術の執刀医であるM先生から女房も同席して手術についての説明を受ける

3年前の膵がんの手術のときは説明時に初めて会う執刀医からの説明を受けた
事務的で機械的な説明と責任逃れを見越すような最悪の状況を力説しての話し方で、恐怖感をあおられながら女房ともども畏まって聞いたことを思い出した

今回は外来で女房ともども何度か説明を受けたり、女房も質問したりしていたので打ちとけた雰囲気で始めることができた

主治医・執刀医が今までのデーターや映像をきちんと揃えて経過を追ってわかりやすく話してくれる

1番印象的であったのは、今回の手術の選択は大学病院側として今後の治療指針案を基にしての選択であるという説明であった

治療指針案とは
手術→組織検査→残されている抗がん剤(ジェムサール)の使用→健康保険未採用の抗がん剤の治験→免疫療法(がんワクチン使用)
である
つまり、ジェムサールが効かなくても2の矢3の矢を考えての手術の選択ということである

それぞれの大学病院での有効率は?と尋ねると
ジェムサールは10%しかない。ただしがんを大きくしないで現状維持を効果ありとすれば30%になると説明

副作用は実際に使用されてみてどうか?と尋ねると
白血球数などの減少はあるが、脱毛や吐き気などは少ないと答えてくれる

保険未採用の抗がん剤を治験として使用したみた有効率は?
と問うと
いまのところ10%くらいとはきいりと答える

免疫療法について尋ねると
患者の採血を行いHLA型でないと行えない
HLA型は患者の約半数になる
患者のがん細胞からワクチンを作って行う
ジェムサール投与にプラスして免疫療法を行うことも可能である

以上のようなことを話してくれたが、こちらの不勉強でついていけず話を聞くだけで終わる

次に残されていた抗がん剤(ジェムサール)を使用しないで手術に踏み切った理由として
@ がんが予想以上のスピードで大きくなって予断を許さない
(5月31日3.5センチ→9月3日4.9センチ→9月16日6.4センチ)
A 5月31日以降画像診断を重ねてもがんは1つでほかに散っている様子はない
B がんの部位が肝臓の端のほうにあり手術しやすい
C がんが肝臓と接していなくて肝機能が衰えていない

以上の5点を挙げ、大学病院側としてもチャレンジング的選択したと熱心に話してくれたが、最後に肝臓に転移した膵臓癌は半年から1年以内に必ず再発する、ということもきっちりと話すことも忘れなかった

外来診察で何度も話しているので信頼感をもってはいたが、今回の説明は外来とは別の立場、視点で懇切丁寧に話してくれたので非常に心強く感じた
特に女房に語りかけるように話してくれたことはうれしいと同時に助かったという思いである
女房は3年前との比較もあったと思うが、丁寧かつ力強い説明に安心したようであった
気が付いたら主治医の話は1時間半にもなっていた

女房が一緒に来て外で待っていた次男夫婦に説明する口調は明るく力強かった
3度目の「ついているな〜」である

午後A氏来院
その後H氏ご夫妻が来院

夜から朝にかけて尿をため込む作業を指示される
朝になったら尿をため込む2L入りの容器が入りきれなくなった
「こんなにオシッコするお年寄りは見たことない」と看護師さんからつぶやかれる
それはそのはず
「日田天領水」を病室に持ち込んで1日2L飲んでいたのだから


2010.10.11:choro
[2010.10.12]
先ほどは・・・ (長山)
[2010.10.12]
10日から読んでいます (すなおみち)

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