choro note

▼コーチング

先日所属している団体の定例勉強会で「コーチング」を発表
コーチングは15年くらい前からアメリカから輸入し、スポーツだけでなく、ビジネスの世界や家庭や地域社会にも広まってはきているが、必ずしもうまく浸透していないと見ている

コーチングというのはどのようなものなのか
代表的定義として「相手の自発的行動を促進するためのコミュニケーションスキル」がある
コーチは「質問することにより、相手に考えさせ、相手の気づきを促し、相手自身が持っ
ている回答を引き出していく」というのである

この過程を別の言葉で言うと「自然習得力」と呼ぶ
自分との対話で「できる」ようになるという
「自然習得力」とは「できるというイメージ」を理解した後は、実際にやってみて、うま
くいかなかった部分は自分と対話し、修正していく、この繰り返しのよって「できる」よ
うになっていく過程である

これは東洋医学的な「自然治癒力」に相当する概念である
コーチングには東洋思想が取り入れられているのである

今自分で行っているがん治療にも通ずる
西洋医学の対処療法でなく、東洋医学の自然治癒力をベースとする予防医学のほうにシフ
トしながら行っている

コーチングを分かりやすくするためにスポーツ界でのコーチングで述べてみる
従来のコーチングは現役時代実績を挙げた優秀な選手が、自分のやり方を押し付けるやりかたであった。指示命令型である
それに反して最近いわれているコーチングとは、コーチは選手と一体となって、選手がいい成績を残せるように「いい問いかけ」をし、選手が自分で考えて自分の中から答えを見つけていくというやり方である

結果として従来のコーチングはスランプに陥るとなかなか立ちなおれないが、新しいコーチングでは自分でスランプの原因を考え、修正案を生み出してスランプを脱出できるという

また野球の例で例えると、内野手が打球をキャチングし損ねたとき従来のコーチは「馬鹿
やろう!なぜもっと突っ込んでとらなかったのだ!」と罵声を浴びせかけて奮起させるのが一般的
選手は「すみません」と謝るが、何がすまなかったのか分からずじまいで終わる
これではまた同じような状況で同じような失敗をしてしまう
新しいコーチは「今打球にあわせて突っ込んだのか?そのときのタイミングはどうだったのか?」と問いかけて、選手に考えさせて自分なりの答えをださせるという
そうすれば、同じ失敗をすることが少なくなるというのだ

コーチングは先にも述べたとおり、イメージをもつことを重視する
人はイメージをもつことができれば、自分との対話によって、何かを身につけることができるという
「イメージは計画よりも勝る」という言葉がある
スポーツ界でいうと「セルグイメージ拡大法」といって、自分が勝者となって賞賛を浴びている最終場面をイメージすることによって、あがるのを克服し実力を発揮できるようになるという

ガンの治療にも同じことが言える
自分がガンを克服し自分の夢を達成している場面をイメージしながら「治る、治る、治ったー」と口にしながら毎朝歩いている

コーチングを行うに当たって必要とされるスキルは沢山あるが、基本的には@聴く、A語る、B質問する、の3つであり、特に傾聴のスキルは求まられる

コーチングは今いろいろな分野でと入れられてきている 
マネジメント、営業・販売、接客・接遇・クレーム処理、コンサルティング、研修・社員教育子育て・教育、医療・看護、介護・ケア、家庭円満・夫婦関係、コミュニティ・地域社会など多岐にわたる
 
特にビジネス界では、国際競争の中で生き残るためにいろいろな形で取り組む企業が増えてはいるが、必ずしもうまくいってないようである
現役時代に、企業内の管理職研修に取り入れてやってみたが、期待したまでにはいかなか

  
1番の問題は人の観方であり、答えは上司でなく部下が持っているという考え方に立てれるかということである
人を性善説としてみるか、性悪説としてみるかである
企業内では相変わらず性悪説であり、答えは上司が持っているというスタンスが多い     

その結果、相変わらず、指示命令型であり、チェック管理であり、結果評価なのである
トップからの意識改革と組織改革と、人事制度改革があってコーチングの理念は実現していく

このことは何もビジネス界だけでなく、親子関係や夫婦関係においても同じである
相手をどう見るか、相手をかえるのではなく自分が変わるという考え方が重要
コーチングとは奥が深く、本当に実践していくためには幾多の壁を壊すか乗り越えていかないと、理論どおりにはならない
だから挑戦しがいがあるともいえる

コーチングはカウンセリングとは違うが、補完関係にあると思う
特にキャリアカウンセリングにおいては、コーチングの手法を参考にできる部分が多い

日本の社会では、コミュニケーションのとり方について学ぶ機会がすくない
ところが今はどこでも誰にでもコミュニケーション力が求められている
コミュニケーション力を身につけていくにはこのコーチングというのは役立つと思う

今回指名されて10年前に学習したものをひっくりかえしてやり直してみたが、コーチングの必要性を新たに感じた
「老いて学べば死して朽ちず」でコーチングの学習は継続してみたい


2010.08.05:choro

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