choro note

▼映画「マイ・ブラザー」

予告編で何回も観て、見ごたえのありそうな感じがしていた映画である

二人の兄弟がいて、優秀な兄は妻と二人の幼い娘をもつ海兵隊員(大尉)。妻はとびっきりの美人
弟は刑務所帰りでダメ弟であり、軍人あがりの父親からも蔑視されている
しかしこの兄弟は仲がいいのだ

兄はアフガンに赴任し襲撃される
襲撃された状況から「戦死」扱いされて家族の元にも知らされ葬儀も行われる

その後ダメ弟と兄の家族である義姉と姪子たちとの関係が変わっていく
姪子達とダメ弟は親しくなり、弟を嫌っていた義姉も弟に好意を待つようになりキスをするまでになる

そこへ突然戦死したといわれていた兄が帰還する
兄は捕虜になり過酷な体験を強いられていたのだ
兄は激しい拷問に負けて、部下であり友人でもあった同じ町に住む若者を自らの手で殺してしまっていた

帰還後の兄は旧の兄ではなく壊れて別人のようになっていた
帰還後に繰り広げられる兄と妻子、兄と弟の関係は悲惨で残酷な場面の連続である

兄は弟と妻が寝たのではないかと疑い、次第に寝たと思い込むようになる
弟と妻が真実を語っても耳を貸そうとはしない
ついには暴力沙汰になり警察の厄介になる

そんな修羅場を経て、最後の場面で兄は妻に自分が部下を殺したことを告白できた
将来に希望を見出せる告白であった

映画の宣伝用のチラシに、「人間の本能を揺さぶる愛の傑作」とあったが、うたい文句の程の感動はなかった
戦争のむごさ、そこから生まれる人格破壊、そしてその影響を受ける家族、とこの種の映画に共通するストーリーの先が読めるような展開になっているからではないか

弟と兄嫁との関係や兄と弟の関係などに絞ってもっと深く追求する脚本であれば、もっと見ごたえのある映画になったのではないかと思う

そんななかで、兄弟と妻を演じた三人の俳優の印象は強烈であった
兄はスパイダーマンに出ている俳優であるが、この映画で今回本年度のグローブ賞にノミネートされた
弟は「ブロークバック・マウンテン」に出た俳優で独特の目つきをして観客の心を掴む
妻を演じた俳優も素晴らしい

少し重たい映画であるが、観て損は無い映画である


2010.07.14:choro
[2010.08.02]
忙中に閑をつくる・・ですね (長朗)
[2010.08.02]
観てきました (まめこ)
[2010.07.15]
おっしゃる通り (長朗)
[2010.07.14]
すばらしいキャスト! (まめこ)

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