choro note
▼第26回日本アマチュアシャンソンコンクール東北大会
シャンソンを歌っている大学の同級生K君からチケットが2枚送られてきた
場所はいつもの仙台市戦災復興記念館
4時半開演で、少し遅れて入場したときには、ホールは満員であった
プログラムを見ると参加者は52名と多い
K君からは、昨年のある大会が終了したあと「もう歳なのでシャンソンはやめようと思う」というメールを貰っていた
「まだまだ歌えるのにもったいない、残念だな〜」と思いながらそのメールを見た
そのK君から、突然のコンクール出場の知らせとお誘いであったのだ
お誘いのメールには、「やめようと思ったけれど舞台で味わえる緊張感に魅せられて参加することにしました。衣装も新調し、新しい歌に挑戦します」とあった
掛け値なしにうれしかった。さすがK君!と思った
よく定年後の生活では趣味が大事という
K君はシャンソンの他書道もやっていて、展覧会に出して受賞するくらいの腕前である
それ以外にも趣味としていることがあるかもしれない
K君は10余年前に奥さんを亡くし、1人暮らしである
いろいろな趣味のなかでも、シャンソンはK君の生きがいの大きな部分を占めるようになっているに違いない
何よりもスポットライトを浴びながら、多くのお客さんの前で歌えることは大きな幸せでもある
K君の出番がきた
新調した衣装に身を包んで、颯爽と登場する姿は70歳とは見えないダンディな姿
歌う曲は新たな先生についてレッスンを重ねたジルベールべコーの「長い別れ」
いつもの通り表情豊かに、身振り手振りを交えながら味わいのある歌い方をする
歌詞も男と女の切々たる愛情の言葉の連なり
じっとその歌詞を聞きいっていたら、突然に聞き取りにくくなった
口をもっと開けて歯切れ良く歌えばいいのにと思いながら聞き終えた
休憩時間に女房と話した
女房は「今日は声が良く出ていて良かった」という
「でもなんかもぐもぐしてはっきり聞き取れなかったところがあったな〜」と私がいう
そこへ歌い終わったK君がやってきた
「いや〜緊張のあまり、あがってしまって歌詞を忘れてしまったのよ〜。やはり歳なんだ〜。どうせ忘れるのであればフランス語のほうがごまかしが効いたのにな〜アッハッハッハ」と笑いながら話す
「え!そうだったの、もっと口を開いて歌えばいいのにと思いながら聞いていたんだけど・・・・歌詞を忘れて“もぐもぐ”やっていたんだ〜ウッフッフ」である
ブラボーK君!
歌詞なんか忘れてもいいさ
お互いに70歳になるけれど、「まだ70歳だ!」でいきましょう
これからも歌いたい歌を選んで、練習して、緊張しながらお客さんの前で歌って!
2010.05.27:choro
[2010.06.02]
いつもお二人で本当に有り難う (菊地和彦)
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