choro note

▼井上 ひさしさん

井上ひさしさんが亡くなった
大学生のころから井上さんの小説は読んでいた
女房も井上小説のフアンなので書棚には「青葉繁れる」から「吉里吉里人」など沢山並んでいる

小説も面白く読ませてもらったが、それ以上に井上戯曲の芝居を楽しませてもらった

座付き作者井上ひさしの戯曲のみを専門に上演する「こまつ座」という製作集団がある
社長は井上ひさしの3女の麻矢さんが務めている

女房と1緒にこまつ座の会員になり、上演されるたびに観にいった
劇場は新宿にある「紀伊国屋ホール」と「紀伊国屋サザンシアター」であった

そこで観た演目は
・ シャンハイムーン ・兄おとうと ・きらめく星座 ・太鼓たたいて笛ふいて
・ 闇に咲く花 ・人間合格 ・円生と志ん生 ・紙屋町さくらホテル ・小林一茶
・ 父と暮らせば ・国語元年 ・花よりダンゴ ・連鎖街のひとびと ・雨
・ 頭痛肩こり樋口一葉  ・石川啄木 ・雪やこんこん ・イーハートーボの劇列車
・ マンザサわが町 ・泣き虫なまいき  と20本を数える

これ以外に観たもので記憶にあるのはシアターコクーンで上演された「薮原検校」である

印象に残っているものとしては「父と暮らせば」と「薮原検校」をあげたい
「父と暮らせば」は映画にもなったので広く知られているが、庶民の暮らしから平和と生きることの尊さを訴えた作品である
「薮原検校」は盲目の世界を舞台にしているが、集団の歌や踊りがダイナミックに展開されて芝居の醍醐味を味わせてくれる

こまつ座上演の井上戯曲には個性的な俳優が必ず登場する
辻 萬長、角野卓造、梅沢 昌代などである

井上さんの芝居は観ていて面白い
ストーリーの分かりやすさやセリフの面白さ、それに音楽と芝居の小気味よいテンポが加わる
面白さのなかに、笑いの中に何かを感じさせてくれるものがある
それは井上さんの生きたてきた暮らしのなかからにじみ出てくるものかもしれない

「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことをあくまでゆかいに」
という井上哲学の表現の成果でもあるかもしれない

観終わると劇場は独特の熱気と興奮に包まれていることがわかる
帰り口に向かうと社長の麻矢さんはじめ出演した俳優の面々が頭を下げながら見送ってくれる
こまつ座の芝居を通して生活に密着した芝居というものの真髄を味わせてもらったような気がする

井上さん数々の素晴らしい芝居を見せていただきましてありがとうございました
ご冥福をお祈り申し上げます



2010.04.15:choro
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