choro note

▼映画「NINE」

予告編で,何度もアカデミー賞受賞者がずらりと顔をそろえての豪華絢爛な舞台と渋い演技が紹介された
最終的には懐かしいソフィア・ローレンが出るというので観に行った
ウイークデイの午前というのに女性のお客が結構入っている
1960年代のイタリアを舞台にしたアメリカのミュージカル映画である

ストーリーは映画監督として名を成した主人公が製作に行き詰まり、もがき苦しんでいるなかでの女性遍歴が描かれる
芸術家としての天才なら許される行為なのか、とも思ったりはしたが、結局は女性の庇護に頼るマザコンダメ男ということになるでは

映画を観ながら、生誕100周年記念として上映された太宰治の「ヴィヨンの妻」などの作品を思い浮かべてしまった
イタリア版、太宰治・「人間失格」というのは芸術の何たるかをわきまえない凡夫のたわごとか
いずれにしてもストーリーは単調なもの

そのかわりといっては的外れと思うが、歌と踊りの場面は素晴らしい
舞台の色彩が艶やかであり、赤と黒がうまく使われている
衣装も音楽もいい
もちろん女優陣のボデイーも歌と踊りもである
舞台以外の風景をはじめ、画面がきれいである
ということでミュージカルショウとして観ていると豊かな気分になれる

主人公の心象風景を幻想的なミュージカル風に表現したり、現在と過去を交差される演出の仕方も印象的である

この映画の特徴は配役陣にそうそうたる俳優を配していることである
主人公は「父の祈り」や「存在の耐えられない軽さ」の名優ダニエル・ディ=ルイス
女優陣は、え!あの女優が歌って踊るのと思ってしまう二コール・キッドマンはじめ、ぺネロぺクスル、マリオンコティヤールなど超有名女優が7名並ぶ
その7人が素敵な歌と踊りを見せてくれるのである
主人公の母親役で出演するソフィアー・ローレンも衰えを感じさせず堂々たる印象で昔観た「ひまわり」などを思い出した

ミュージカルが好きで、超豪華俳優の歌と踊りを楽しみたいという方々にはお薦めの映画





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