choro note

▼映画「ジュリー&ジュリア」

山形からの帰り、駅前に着いたのが2時20分、確か近くの映画館で2時30分過ぎの映画
の上映があると思い、映画館へ向かってみる
2時50分からの上映映画があった。それが「ジュリー&ジュリア」

はじめに「2人の実在の女性の物語である」という紹介がある
太平洋戦争終了後フランスに渡ったアメリカの外交官の奥様がジュリア
身長があって声が大きく、鷹揚な喋り方で個性的な女性
その役をメレル・ストリーブが物まね的にこなしてコミカル的な味を出している

ジュリアはパリで暇つぶしに好きな料理を名門料理学校で学び始め、努力を重ねて作り方をマスターしていく
そしてついにはフランス料理を家庭でも作れる本を英語で書き表し、アメリカで大ヒットさせるのである

片一方のジュリーはジュリアから50年後のニューヨークで9:11事件の相談員という地味なストレスのたまる仕事をしている若き女性

作家になるという夢がかなわず、ピザ屋の狭い2階で悶々としながら暮らしている
そこで選んだのが尊敬し憧れているジュリアの書いた料理本を見ながら、1年かけて524のレシピに挑戦するということ
それをブログに書いてみるというおまけもつけて・・・

2人は交わることはないが、2人の料理を中心とするそれぞれの生き方が面白い

料理に関心のある方にとっては、ジュリアが素人から高級なフランス料理に挑戦し、それを家庭料理としてまとめていくシーンやジュリーが狭い台所でレシピを見ながら悪戦苦闘していく様子には引き込まれるはず
熟年男にも料理を作ってみたいと思わせるような料理作り描写が盛り沢山である

ジュリアが暇つぶしから始めた料理がプロの領域まで高めていく状況や、ジュリーが仕事や家庭の不満を料理に挑戦し、それをプログで表現していく様は、「キャリア開発」という視点でも観ることができる

ジュリアは本の出版とその後の高い評価、ジュリーはブログから作家への道が開けるという結果が紹介される。2人とも成功者なのだ

この映画は2人の女性の物語と同時に2人の旦那の物語でもある
2人の旦那が2人の女性のキャリア開発に対する理解者、支援者という姿でうまく描かれている
ジュリアの旦那は外交官として自らは恵まれた処遇を受けないままであったが、女房を愛し、女房の好きな料理に関して最後まで理解と支援を続けた

ジュリーの旦那も時にはストレスから夫婦喧嘩もするが、じっと耐えながら女房を支援する
よき旦那達であり、女性2人のというよりも2組の夫婦が織り成す4人の人間ドラマともいえる

ジュリーは毎日料理を終えると、それをブログに投稿する
始めは何の反応もなかったブログが、次第に書き込みが増えていく
それに伴ってジュリーへのプレッシャーも強くなって追い込まれていく
それが夫婦喧嘩の爆弾にもなっていく
ブログを書いている端くれとして身につまされる

最後のところでジュリアは90歳余で亡くなったことと、ジュリーのブログはジュリアから歓迎されなかったという紹介があった

何で歓迎されなかったのは説明がなかった
映画で観せられるジュリアの人柄からすれば、ジュリーの料理への挑戦は理解されるはずと思っているのだが・・・



2010.03.21:choro
[2010.03.23]
秀逸ですね (長朗)
[2010.03.23]
やっぱりメリルが秀逸 (ひだまり)
[2010.03.23]
5万回時の書き込み謝、謝 (長朗)
[2010.03.22]
ボナペティ! (ひだまり)

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