choro note

▼映画「恋するベーカリー」

パン屋のおかみさんの年がいもない恋の物語かとおもいきや、そうではなかった

離婚して10年になるパン会社の女社長と旧亭主の弁護士(59歳)との不倫物語?である
女社長は離婚後、娘2人に息子1人の3人の子供を育て上げて長男は大学卒業、長女は結婚まじかである

息子の大学の卒業式で旧亭主と会った女社長は縁りを戻して一夜をともにしてしまうというところから始まる

分かれた原因が旧亭主の浮気だったというのに、なんでまた縁りを戻すの?
うらみつらみが在るはずなのにそんなに簡単に縁りを戻せるの?
と思ったりもするのであるが、この映画を観ているとそれもアリ、と思ってしまう

不倫物語?と書いたのは、旧亭主は浮気相手と結婚し小さな子供をかかえているからである
ただし子供は自分の子供ではなく、浮気した相手がその後別の男に走り、その男との間にできた子供と言うややこしい話
女社長は暫し「不倫?」と悩んだりするが、よりを戻した2人はラブラブめいた世界に突入してしまう

この旧夫婦のラブラブに、新たに女社長の自宅のキチンの増築のために交渉に入った設計士のおっさんが加わって3角関係になっていく
設計士のおっさんは女房を友人に取られて泣く泣く離婚し、未だに立ち直れていないという熟年草食系のおっさん

そのおっさんが旧亭主との間で揺らぐ女経営者の心の隙間にいつしか忍び込んでいく
それに嫉妬してさらに燃え上がる旧亭主であるが勢いで離婚してしまう
さてその結末はいかに?

と書けば不倫、三角関係の暗いどろどろ物語となるのであるが、この映画はそれを笑い飛ばしながら観ていける映画となっている
監督は女性であるが、中年の恋やセックスを明るくコメディタッチで描いている
クスクス笑から爆笑まで、笑えが絶えない

キャストも女経営者にメレル・ストリーブ、旧亭主にアレック・ボールドライン、設計士のおっさんにスティーヴ・マーティンが扮している
旧亭主役のアレックはメタボの体系を活かして母性本能をくすぐる役どころ、設計士のスティーヴは喜劇役者としてではなくシニカルな役どころを好演している
中高年齢の映画フアンには懐かしい顔ぶれである

この映画はR−15指定映画である
どうしてR−15指定なのかなと思いながら観ていったが、なるほどとガッテン
葉っぱ(大麻?)は吸うわ、中年のメタボ裸は出るは、下ネタは出るは、で孫と一緒には観れないなーと思う映画である

特に女経営者の友人4人との「熟女トーク」には熟年男もびっくりで、そのセリフを思い切って書いてみると「あそこを使ってないと閉じられてしまうんだって・・」・・・と続く
残念なのはメレルの老いた裸を観てしまうということ。メレル老いたり、と思ってしまった

この映画はひょっとするとコメディタッチやセックスめいた内容が多くて好きになれないという人がいるかもしれない。とくに若い人たちには少し抵抗がありそうな感じ

でも熟男からみれば、中高年齢者の恋愛、セックス賛歌映画で、中高年齢者に希望と勇気を与えてくれる映画と受け取れる

まともな恋愛やリッチなセックス生活をしてこなかった熟男には後悔の念を引き起こされる映画でもあるが、40代以降の中年の方々には元気付けられる映画となるはず

コメディタッチで描かれているので、つい笑い飛ばしたり、見逃したりしてしまうが、人生の折り返し点を過ぎた男女の感情や親子間の心理的葛藤などをうまく捉えている
そこいらへんのところはメレルがうまく表現していて感服する

男女の間で元気を失くしつつある中高年者に勧めてみたい映画である



2010.03.11:choro
[2010.03.18]
可愛らしさは・・・ (長朗)
[2010.03.17]
たしかに… (ひだまり)

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