choro note

▼農業大学校でのキャリアカウンセリング

○○農業大学校で1年生16名を対象にカウンセリングを行う
4名のカウンセラーで分担し、10:30から16:20まで5名受け持つ

農業大学校は県立の2年制で全寮制である
農産加工、野菜、畜産などを学んで将来は農家を継ぐ予定者でもまずはほとんどが就職する
担当した5名は農協や農業法人や肥料会社や農機具会社を希望していたが期待していた雇用問題解決受け皿としての農業については全く話がなかった

始めるに当たって担当の副校長から次の2点について特に聴いてほしいという要望があった
@就職活動を開始するにあたって悩んでいること、不安に感じていること
A自分の強み、弱みについて

そして次の2通の書類が手渡された
@今回のカウンセリングに臨むにあたっての自分の課題と自己紹介(自己PR)
A小学校からの学習暦とそこで学んだことや身につけたこと

農業大学校の生徒のカウンセリングは初めてであったので要領をつかむためにまずは悩んでいることを聴くことから始めてみる

書類に書いている課題は当然のことながら「社会常識を身につけたい」から始って、「面接の答え方」まで5人ともばらばらである

とりあえず各人が書いた課題について話を聴いていくと、課題のなかにきちんと書いている学生もいたせいもあって、就職活動についての基本的な考え方や取り組み方について知りたいという要求があるように感じられるようになっていった

学生の印象は真面目で熱心に学業や寮生活に取り組んで、集団として充実した生活を送っているという印象である
卒論に向かって学習を進めている状況をどの学生も熱心に話してくれた

反面、外部からの刺激も少ないことや人間関係もよくて競争意識も少ないことなどが推察された
今取り組んでいる課題が最優先で就職活動はそのうちという位置づけになっているのではないかと思われる
これから遭遇するであろう就職の課題についてまだ深刻に受け止めていないという感じである

2番目の課題
自分の強み、弱みについて話してもらう
書いてあるものをベースにしながら話してもらうが自己PRの就職活動における位置づけと重要性がわからないままの話なのでアバウトになりピンとがずれるような話になる

そこで残された時間との兼ね合いをはかりながら思い切って、就職活動は「自分という商品を売り込むセールス活動」である、という分かりやすい話から入ってみる

「セールス活動で大事なことはなんですか?」と問いかけて「自分という商品の魅力をきちんとつかむ」そして「それを買い手に分かりやすく伝えて自分という商品を売り込むセールス活動」というような答えに近い答えを引き出すまで何度も問いかけ続けてみる

次に自分という商品の魅力をつかむためには「自己理解」(あなたはどんな人でしょうか)ということが必要であり3つの切り口を紹介してみる
@あなたのだいじなものはなんでしょう(価値観)
Aあなたのとくいなものはなんでしょう(能力、性格)
Bあなたのやりたいことはなんでしょう(興味、関心)
それぞれについてわかりやすい表現で問いかけて、自分なりの答えをまずは口にしてもらう
突然の問いかけなので皆一様に口ごもるが一生懸命考えて自分なりの答えを話してくれる

ちょうどハローワークの若者就職支援で使用していたツールをコピーして持っていたのでそれを手渡して視覚に訴えて分かりやすいように話を進めてみた

最後に「就職活動の流れ」を示した表を手渡し、1番大事なことは難儀な作業ではあるが「自分と向き合ってみる」ことを強調して終わり

悩みと強みの話を聴いた後、就職活動についての話を進めていくと、学生は素直で真面目なので、多少一方的な話もどんどん吸い取っていってくれる
表情も変わってくるし 発言が増えてきたのも実感できた
終わってみると、もっと学生の言いたいことを言わせて、耳傾けるようにすべきでなかったかと反省もする

出来るならば、実際に就職活動に入ってからもう1度カウンセリングをさせてもらいたいという思いである

最後の学生が残り時間を気にしながら言い出した
「○○さんは中高年齢者のカウンセリングもやっているのですか?」「ハローワークなどでやっていますよ」と答えると「父親がリストラされて失業中なのですが、精神的に参ってしまっていて・・・」と続ける

息子としてどう付き合ったらいいのかという悩みなのだろう
残された時間で、カウンセラーとしての自分の体験談などを話してみた
予期せぬ問いかけであったが、嬉しかった

終わってみると、あせらずにもっとじっくりと話を聴いてやればよかった、形にはめ込むような流れはまずかったのではないかという思いは付きまとうが、毎度、毎度反省の種は残る

今回の農業大学校の学生対象のカウンセリングはやりがいを感じながら終えることができて元気をもらった感じである
感謝である

2010.01.15:choro
[2010.01.15]
おちよさんはおちよさんで・・ (長朗)
[2010.01.15]
お疲れ様でした! (おちよ)

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