choro note

▼映画「パブリックエネミーズ」

パブリックエネミーズというのは「社会の敵」という意味だそうだが、その言葉が示すようにこの映画はアメリカのギャング映画である
ギャング役のジョニー・デップのパンフやポスターの写真姿の格好良さに引きつけられて入館

1930年代の前半に活躍したジョン・デリンジャーという実在のギャングがモデルとなっている
ジョン・デリンジャーは銀行を狙うギャングで、強者からは金を奪っても弱者からは一銭も奪わないという独自の美学を貫くカリスマ性を持っていたので当時不況に苦しむ国民はジョン・デリンジャーを義賊的に受け止めて人気があったといわれている

そのジョン・デリンジャーが一人の女性と出会い、二人は深く愛し合うようになる
社会の敵・パブリックエネミーズNo1として指名手配をされ、捜査当局の厳しい追跡を受ける

二人はその厳しい包囲網に囲まれ、次第に追い詰められていくが、永遠の愛を信じながら逃亡を続けるが、最後にはジョン・デリンジャーはあえなく射殺されてしまう

見る前は女性がらみのギャング映画ということで、同じ1930年代を舞台にした映画「俺たちに明日はない」のようなギャング映画特有の魅力をイメージしながら観たけれど、期待はずれで終わった

脱獄や銀行襲撃の話とギャングと女性との愛の話の二つがメインになるが、どちらも中途半端な感じ

実話に基づくといいながら、登場する人物像が良く描かれていない
特にギャングのジョン・デリンジャーとその愛人の女性の人物像が中途半端にしか描かれていない

ギャングの仲間の抗争や関係についても突っ込みがないから、ギャング映画特有の裏世界のすごさや哀しさや面白さがない

実話を基にしている映画といいながら全体的に表面的に描いたせいか、現実感が少ない
多少印象に残るのは捜査当局の内情と人物像くらい
ただ銀行を襲撃する場面の作り方や、映像の処理の仕方やサウンドには印象に残るものがある

ジョン・デリンジャーにおなじみのジョニー・デップが、愛人の女性に「エデイット・ピアフ愛の賛歌」でアカデミー賞を受賞したマリオン・コティヤールが扮している
二人とも好演しているが、二人のからみに関する脚本のまずさのせいか印象が薄い
ジョニー・デップフアンには期待はずれになったのではないか

140分という長い映画であったが退屈はしなかった
ドンパチと派手にやりあい、ずいぶんと殺しの場面がでるが不思議と残酷さはない
一緒に観た女房も眼をこらして見続けていた
それだけでもギャング映画としてイマイチの映画かもしれない

2009.12.25:choro

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