choro note

▼映画「マイケル・ジャクソン −THIS IS IT−」

マイケル・ジャクソンについてはよく知らない
時たま新聞やテレビをにぎわすスキャンダラス的なニュースや顔の整形などで知っている程度である
もちろん6月に急逝したことは知っている
そのマイケル・ジャクソンの映画が28日に全国一斉に封切りされると聞いて29日女房と行ってみた

7月に予定されていたロンドン公演のリハーサル風景が中心となる映像であるが、観てびっくり
シンガー、ダンサー、クリエイターとしての天才的なマイケルの姿を見せ付けられる
2時間近く、マイケルとその仲間が繰り広げる踊りと歌に釘付けになってしまった
69歳の爺婆がビートに縛り付けられて固まってしまったような状態

音楽やダンス、パフォーマンスに対する真摯な態度が全編に満ち溢れている
スキャンダラスなイメージとは全く異なるマイケル・ジャクソン像を見ることになる
違和感を覚えていた整形した白い蝋面のような顔も気にならなくなる

スタッフから完全主義者と言われていたが、リハーサル中に自らの才能と感性を基にしてタイムリーにきめ細かく自らが修正を加えていく

マイケルにしかわからない、リズムや音、そして動きの違いを基にしてよりよい舞台を彼自らがその時々に創り上げ、提示していく

「観客は舞台に非日常性を求めてくるのだ」というマイケルの哲学のもと、スタッフ一同が舞台完成を目指して大きなうねりとしてのムーブメントを見せてくれる
最高のダンサー、演奏家、歌い手たちがマイケルのもとに結集してより円熟した舞台を目指していく

長年にわたる友情と深い絆で結ばれた仲間と共に妥協をゆるさずに最高のものを追及していく姿には大きな感動を覚える

マイケルの発する言葉が素晴らしい

「サンキュー」、「アイラブユー」、「僕が一緒に居るよ」、などのいたわりの優しい言葉がリハーサル中に何度も仲間に投げかけられる

スタッフの1人が言う
「マイケルはわれわれの内面的なものを引っ張り出してくれる」と

そんなマイケルの姿はリハーサルの舞台だけのものなのだろうか

今までマイケルに抱いていたスキャンダラスなイメージとリハーサルの映像上の印象との間に大きなギャップを感じる

どちらも真実かもしれないが、この映画のマイケル・ジャクソンは素晴らしい
正直、この映画を観て、初めてマイケルの死を悼む気持ちを持った





2009.11.02:choro

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