choro note

▼「結婚って必要?」

2005年の国勢調査によると30歳―34歳の未婚率は男性47%、女性32%と10年前よりそれぞれ10%前後上昇。生涯未婚の人も増加の一途だそうだ。

先日60歳を過ぎた男性と30歳を過ぎた女性の友人と3人で結婚について話す機会があった
キャリアの違いや価値観の違いがあるだけに多様な意見交流になっていった

ちょうどその頃ある新聞に「結婚って必要?」という題でそれぞれがインタビューに答える特集記事が掲載された
作曲家で中村メイコのご主人である神津 善行氏とタレントでエッセイストである遙 洋子氏の二人である

両氏の主張のポイントを発言からの抜粋と言う形でまとめてみた

「神津さん」

@ いつも手をつないで、ではなく、お互い別々の人生を全うする。その上で、いっとき時間を共にする。最近2人で夕食を食べながら、この時間が持ちたくて結婚したのかなと思う
A 未婚者のほとんどは、いい人がいたら結婚したいと思っている。見つからないだけなのに、人に聞かれたら結婚しない主義ですと言っている
B なぜ出会えないのか。今は情報があふれ、得にテレビや雑誌でかっこうよくて若くして高級をとる男性の話を見聞きすると、不通のサラリーマンじゃつまらないと思ってしまう
C 結婚しないと不幸だし不自然。人間は結婚して子供を持って、次の世代も結婚して子供を育ててきた。その繰り返しの輪の中に私、入りませんと言うのは、人間として面白いことが少なくなるし、人生のどこかでミスが出てくる
D 輪の中は煩わしくもあるが、人は人と折れ合って暮らしている。調和する力がないと、結婚以外のほかの場面でもうまく生きていけない
E 結婚は、一度はすべきです。輪の中に入る気持ちをもったことがあるかないかでは全然違う。他人と暮らして自分を知り、輪の存在を実感する。結婚しなければ何もわからない

「遥さん」

@ 結婚だけが人間社会の当然の営みとはいえない。結婚が万人に適しているとは限らない。結婚しているかどうかで輪に入れたり外したりするのは疑問
A 今は少子化も家族の崩壊も未婚者のせいだと言う。いらだちが加わって独身者には厳しい視線の時代
B 理解しない人はどんなに説明されても理解できない。私は理解してくれといわない。生き方は自由、その建前だけは守ろうといっている
C 私もかっては結婚願望があった。男性にもめぐり合えた、結婚しなかったのは、自分がほしいと思っていたものではないと気づいたから。私は自由が好きなのだ
結婚したら家族に私の時間をあげなくてはならない。独身なら1日24時間が私のもの
D 本当に仲が良くて心から信頼しあっている夫婦って少数。その確率では人生をかけるにはリスクが高い選択肢に映る
E 独身が生きにくい社会で、自由を選択することと自由を謳歌することは違う。独身も仕事や私生活で妥協だらけ
F 家族が老後を保障するとはかぎらない。私は弱音を吐ける友人達とネットワークを作って苦しい時にも支え合っている。介護はそういう関係の延長上にあると思う。危機がきたときに頼れるのは心が優しく強い人。それは別に家族でなくてもいい
G 結婚とは制度です。結婚する理由の1つとして制度としての利用価値も無視できません
H 未婚者はこれから増える。多数派になれば制度は未婚者に歩み寄らざるをえなくなる。だからといって生き方が理解されるとは思わない。理解する人としない人がいる。それだけのこと。
I 結婚制度については「人は結婚すべきだと言う画一化がいけないのであって、結婚したい人はそうして欲しい。でも本当に大事なことは、結婚している人もしていない人も自分のしたい生き方ができているかどうか。今の社会は既婚者にも未婚者にも息苦しさがある。いい夫選びやいい企業選びにとらわれるんではなく、本当にしたいことは何かを自問して、後悔のないオリジナルの人生をんでほしい」

新聞は「後記」としてこのようにまとめている

「かみ合わないように見える2人の論には、共通するキーワードがある。「自立」だ。神津さんは互いに独立した夫婦関係を実践し、遥さんは家族に頼らない生き方を選ぶ。
結婚すかしないかの選択は自立していることが前提。既婚者か未婚者かを問わず、個人の意思を優先する流れを加速するだろう」

私は

同性と世代が同じということで、神津さんの意見に近いものを持っているような気がする
神津さんのBの今は情報が多いからという指摘は、昔は情報よりも親の薦めとか、世間の物差しがあって、それが女性を結婚に追い込んでいたということになる。その結果はどうであったのか。幸せを感じた女性が多かったのかどうか
神津さんのCDEは身に染み込んでしまった物差しとしてなんとなく納得しているところもあるが少し強弁すぎるような気もする

遥さんの意見は理屈としてはわかるような気がする。ただFは現実的に難しいのではないか
本屋にいくと、Fをどうすればできるかというような本が棚積みされているが、それだけ課題が多いということ。又著者はそのような選択をしている女性たちと見受けられる
Iはキャリア開発が目指すキーワードと一緒になる。内なる声に耳傾け、外的キャリアでなく内的キャリアを目指す。オリジナルの人生を描きながら自分の人生を自分で切り拓いていけるようになることがまずは先か。結婚はそれに付随してくる選択肢か。


「結婚って必要?」と問われれば、まずは「人それぞれ」と答えるかな・・

3人いる子供たちは皆結婚してしまった
結婚していない子供さんがおられる親御さんの意見もお聞きしてみたいものです


2009.01.23:choro

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