choro note

▼「自衛隊の退官前研修」

自衛隊では54歳の退官を前にして1ヶ月ほどの座学研修を行います
研修最後の日に「ライフプラン」という題で4時間の座学とワークを行います

自衛官は54歳で退官し、ほとんどが再就職の道を選択しますが、最近はその道
が厳しくなってきているのではないかと思われます

要因の一つは景気が悪くなってきて雇用側の雇用力が落ちてきていることです
とくに地方の衰退と地方格差が云々されるようになると東北関係ではその影響
は大きいと思われます

もう一つの要因は企業側が求める人材像が次第に変化してきているということです

高度成長のころは、言われたことをこつこつ真面目にやれば成果が上がる時代
でした
ですから自衛隊出身者の規律を重んじる態度や真面目さが、企業が求める人材
像にマッチングする部分が多かったのではないかと思われます

ところが今は「組織の時代」から「個人の時代」に移り、一人ひとりが知恵を
出しながら顧客のニーズ対応をしていくことが求められるようになりました
真面目さだけでは求人側のニーズに対応できなくなりつつあるのではないかと
思われるのです

自衛官の仕事とは国防であり、職場は自衛隊という軍隊の組織です
戦闘ができる人材を育成することが目的ですから、民間のように、社会の変化
に合わせて育成する人材像を変えていくことは難しいのです

もちろん基本的には自衛官一人ひとりが世の中の変化に気がついて、退官後民
間に出ても活躍できるように自己研鑽に励むということが重要です

それと合わせて隊内での仕事のなかに、退官後の有能さを発揮できるような仕
事の進めかたや、仕組み作りも必要ではないかと思います
また40代で行う研修のプログラムも気づきを与えるものになるように、さらに
工夫していくべきかと思います

せっかく人生の大半を国の防衛についやした人たちが、54歳から民間に出た際
に不利益を蒙るような状況は好ましくないと思います

労働力としての年齢を65歳や70歳まで見据えて中高年者の育成を図っていこう
としている時代、自衛官に対してもっと暖かい支援策を講じてやるべきではな
いかと思いながら研修を進めてみました



2008.09.26:choro

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