choro note

▼映画「4ヶ月、3週と2日」

衝撃を受けた作品でした
ルーマニアの映画で、1987年、チャウシェスク大統領による独裁政権末期のルーマニアが舞台になっております
妊娠をしたルームメイトの違法中絶を手助けする大学生ヒロインの緊張感に満ちた一日を描いています
「4ヶ月、3週と2日」という題は妊娠期間を表しています

20年余りのルーマニアの社会が時代考証の裏づけをもって再現されており、当時ニュースなどでしか知り得なかった独裁政権の下の暮らしぶりを興味深く観ることができました
リアリズムを基調にしてのドキュメント的な大胆なカメラワークが駆使されています
また俳優達の息づまる熱演によって衝撃的な場面が続きますので、最初から最後まで画面にひきつけられます
中絶をするために確保したホテルの一室でドクター、ルームメイト、ヒロインの3人が繰り広げる場面は圧巻でした(衝撃的な場面が展開されますが見る方のためにマル秘)

大学生である主人公が体を張ってまで実現しようとしたことはなんなのか?
個人の自由が大きく制限された社会で、人間らしく生きるということはどういうことなのか?
この映画は女性のために作られた映画のように思います
どんなことがあっても、自分は女として自由でありたい、と主張するヒロインに勇気付けられます
映画の各場面を通して、苦悩と困難に立ち向かうヒロインにいつの間にか感情移入してしまい、息苦しくなりながら画面にひきつけられておりました

男女共同参画社会活動に関心のある方々には必見の映画ではないでしょうか

この映画はパルムドール(最高賞)受賞のほか数々の映画賞を受賞しています

2008.05.07:choro

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