今回私が受け持たせていただいた患者さまは高齢であることや、疾患による障害でコミュニケーションをとることが難しい状態にありました。そのため、会話をすることができず、初めはどのように関わっていくべきか戸惑うこともありました。
初めは現在とは違う問題を挙げて計画を考えていました。しかし日々ADLが向上していく患者さまを見て、指導者からの助言をいただき、私は今立てている計画は患者さまにとって本当に必要なことなのだろうかと考えさせられました。
私は患者さまが医療従事者だけでなく、御家族の方ともうまくコミュニケーションをとれないことが過剰なストレスになっているのではないかと考えました。御家族とも話し合い、退院までに名前や挨拶をいえることを目標としました。患者さまにとっても言葉が出てこないことはストレスとなり、時には、私を含め、他の医療従事者やご家族の方にいら立ちを表すこともありました。
しかし、結果的に実習最後には患者さまから「ありがと」と言葉をもらうことができました。患者さまも、以前と比べ意思疎通ができるようになり、イライラすることも減っていきました。
今まで自分がやってきたことが患者さまに伝わっていた、患者さまにとって有益であったと感じることができました。
今回、疾患特有の症状のある患者さまを受け持たせていただき、教科書通りではなく、患者さまの生活像や現状、家族背景、地域とのかかわりや、習慣を理解して、多面的に捉えて全人的に関わることの重要性を学びました。
また、病院などの施設と、地域との連携の大切さを学ぶことができ、とても貴重な体験になりました。
受け持たせていただいた患者さま、御指導いただいた指導者の皆様
および病院関係者の皆様 心より感謝申し上げます。