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お久しぶりのジム・シェリダン監督の新作「マイ・ブラザー」を観ました!

ジム・シェリダン監督は、ダニエル・デイ・ルイスの「マイレフトフット」(89)「父の祈りを」(93)「ボクサー」(97)で有名ですが、特に「父の祈りを』にはすごい衝撃と感動を受けました。

この「マイ・ブラザー」は、フォーラムでも上映したデンマーク映画「ある愛の風景」(04)のリメイク版です。
あの傑作をリメイクしているという噂はだいぶ前から聞いていましたが、あまりにも凄い映画だったので、リメイクは観たくないというのが正直な所でした。

ところが、監督がジム・シェリダン、性格がまるで違う兄弟にトビー・マグワイヤーとジェイク・ギンレイホール。
二人を愛する兄の妻にナタリー・ポートマンと知って、これはみなくっちゃ!と切り替えられました。

デンマークの女性監督スザンネ・ビアの映画「ある愛の風景」は、驚嘆すべきものでした。
単に映画を観ているのではなく、まるでそこに立ち会わされたように息苦しくなります。
俳優は演技をしているというより、自分の感情を生きているように見えるのです。
顔のアップ、表情だけで感情の奥深くまでをえぐってしまうようなとてつもない演出でした。

映画を観た後あまりの迫力とリアルさにエネルギーをしぼりきられたような気分。
自分はとんでもない映画に立ち会ってしまったという満足感に満たされました。
ほとんど無名の俳優が、その役を生ききってるのですから、まるでドキュメンタリーを観てるようでもありました。

さてジム・シェリダンの「マイ・ブラザー」はとにかく有名すぎる3人が主演です。ならば、頭を切り替えて、この難役にどう挑戦しているか堪能すべきかも、と思ってみたのですが、まさしく正しい観方だったと思います。

戦場で極限の体験をしたために、人が変わってしまった兄(トビー)、夫が死んだと知らされて苦しむ妻(N・ポートマン)
そして、父親から疎まれ自分の居場所を捜す弟(ジェイク)。それぞれの絶品の演技合戦が続きます。

そして一番嬉しかったことは、息子との確執に苦しむ父親の役で、私の大好きなサム・シェパードが出演していたことです。
ピューリッツア−賞も受賞している、現代最高の劇作家でもある彼は、あの「パリ・テキサス」の脚本を書いた人なのです!
あんな素敵な男女の愛の物語を書くなんて!と私にとってサム・シェパードは神様のような人です。
彼を観られただけでも充分幸せすぎました!

「マイ・ブラザー」は、リメイクとは言え、全くジム・シェリダンの映画になって輝いてしていました!
フォーラムでの上映をお楽しみに!(マダム二コ)
2010.07.01:cafeforum:count(2,456):[メモ/レポート]
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