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夏はベニバナ

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徃にし方(いにしへ)の紅を訪ねて白鷹路

「紅花(はな)の山形」といわれるほどの生産量と質を誇る山形県。
紅花が県の花に指定されていることからも、それがうかがえます。

山形県の紅花栽培の主生産地が、ここ白鷹町でした。

文禄検地(1594年)を基に編纂されたとされる上杉家文書「邑鑑(むらかがみ)」によると、置賜地域内216村中のうち紅花を栽培していたのは35村。白鷹にある23村のうち、14村で栽培され、置賜領内最大の生産地でした。その後青木家文書によると、1646年当時は、置賜領内の紅花の半数以上が白鷹で生産されていたことが記録されています。

山形の紅花(紅餅)は上方商人などの活躍により「最上紅花」として全国にその名を馳せました。その価値は、米の百倍、金の十倍という貴重品でした。それだけに水に濡れることを懸念して、最上川舟運の難所「黒滝」開削後も危険個所は、馬による陸送がなされました。

最上川を山形舟町、大石田、酒田と下り、北前船に揺られて日本海を進んで敦賀に荷揚げされ、そこから琵琶湖を経て大津・京都と運ばれた紅花(紅餅)は、やがて鮮やかで艷やかな紅や衣裳として女性たちを魅了し、時代を彩っていきました。

“300輪で紅花一匁(はないちもんめ)“とは、わずか3.75g(一匁)を採取するために約300輪もの紅花が必要だという、いかに紅花が貴重品であるかを言い表しています。これらの紅花は、一駄120㎏単位(30㎏の袋4つ)で運ばれましたが、置賜領内でのその包み紙は白鷹町の「深山和紙」の油紙が使用されています。

このように山形・白鷹と歴史文化的に深いかかわりを持つ「紅花」。
私たちの祖先が、米沢藩の主要換金作物として「青苧(あおそ)」同様に一所懸命栽培したこの「紅花」を、最上川舟運などとともに地域の大切な資源とし、有効活用する取り組みが始まっています。

白鷹紅花の復活

「紅花(はな)の山形」「県の花べにばな」にもかかわらず、その咲いている様を以前は県内でほとんど見ることができませんでした。山形県や白鷹町の歴史に深くかかわりのある紅花を、地域の文化伝統などと連携を図りながら復活させよう、昔のように咲き誇る姿を見てもらおうと、平成6年に8名の有志で「白鷹紅の花を咲かせる会」が発足し、平成7年からは体験を中心とした「白鷹紅花まつり」をスタート、平成14年からは町あげての初夏のまつりとして、滝野交流館をメイン会場に開催しています。さらに平成19年からは、紅花摘みをトコトン楽しんでいただき、紅餅づくりまで体験でき、摘んだ紅花の量に応じてお礼をするという「花摘み猫の手隊」もスタートしました。今では栽培面積が約10倍まで拡大し、県内外からお客様が多く訪れています。

紅花について

・分   類 キク科
・学   名 カルタムス・ティンクトリス(カルタムスはアラビア語で「染める」の意味)
・和   名 紅花、末摘花(すえつみばな)、呉の藍(くれのあい)、紅藍(べにあい)、久礼奈為(くれない)
・英   名 Safflower
・自 生 地 降水雨量の少ない乾燥地帯、砂漠、未耕地(中央アジア山岳地帯、エジプト・ナイル川中流地帯、エチオピア、地中海沿岸帯)
・栽培最適条件 少雨少湿、育成適温10度~25度。生育が進むほど高温・多日照条件になる環境が良い。土壌は耕土が深く、中性ないし弱アルカリ性の肥沃な土壌。

 

 

 

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