英語俳句の作り方
「英語俳句の作り方」を掲載いたします。
日本語の俳句にルールがあるように、英語俳句にもルールがあります。ここでは、表現上注意すべき点、または工夫してほしい点について簡単に紹介します。
1.文頭であっても大文字は用いず、文末にピリオドを打たない
固有名詞や I (私)以外は、すべて小文字で表記します。また、文末のピリオドは不要です。
2.3行で書くこと
日本語俳句は1行で書きますが、英語俳句は3行で書きます。
3.3行それぞれの音節(syllable)は2−3−2くらいをめどにすること
日本語俳句は「5音節 7音節 5音節」の計17音節で作られますが、英語俳句ではそれぞれの行の音節の数は「2−3−2」くらいがよいとされます。ゆえに音節の少ない、短い単語を使用するのがよいでしょう。(英単語は長くなる傾向にあるから)
(音節とは、母音または母音の前後に子音を伴う、音声のひとまとまりこと。辞書ではpen・cilのように、・や - で区切って示される)
4.一句の中に切れ字を入れてもよい
切れ字とは、日本語俳句に見られる、感動や詠嘆を表す「かな」や「けり」に相当するもので、英語俳句では行末に–(ダッシュ)や : (コロン)を置いて感動の余韻を表します。
5.できるだけ "I" を使わない
英語俳句では何より客観的な描写がよしとされます。作者が作品の中に登場してしまうと、作品世界の広がりが限定的になってしまうからです。同様に、固有名詞も作品のイメージを限定してしまうため、使用を避けた方が無難です。
6.be 動詞、冠詞、前置詞は省略してよい
そうすることによって、表現を簡潔にまとめることになり、また、作品が散文的になるのを防ぐことができます。
7.時制は現在形を用いる
英語俳句では、「いま、目の前にある情景」を「1枚の写真で切り取った」ような表現を重視します。ゆえに動詞は未来や過去ではなく、現在形を使います。
8.英文法に必ずしもこだわらなくてよい
上述5.とも関連しますが、いわゆる英文法にこだわっていては、作品が散文的になってしまいます。文法よりも、名詞を中心にした明確なイメージを持つ1行1行を積み重ねていくことを目指してください。
9.季節感を盛り込む
季節感を盛り込むために、日本語で俳句を作る場合は、『歳時記』により季語を入れることになっていますが、英語俳句では必ずしも入れなくてよい。
以上の要点をまとめれば、英語俳句を作る上では、「英文法にあまりこだわらず、いま、目の前にある情景を写真でとらえるように、それぞれが短い3行の英文で描写する」ことが大切です。
山寺芭蕉記念館英語俳句大会への、多くの皆様のご投句をお待ちしています。
募集要項は、ホームページでお知らせします。