アーキビストのノート

▼2013年度アーカイブズカレッジ修了論文報告会概要報告

お待たせしました。
3月末に開催した、アーカイブズカレッジ修了論文報告会につきまして、
各報告の概要と、コメントシートでお寄せいただいた感想をご紹介します。

1 各報告の概要
@高橋喜子「紅葉山文庫における幕府文書の管理―「御朱印写」を事例として―」
徳川将軍家の「図書館」とも言われる紅葉山文庫が、アーカイブズ的役割も
担っていたことを、「御朱印写」の管理状況から明らかにした。

A西山直志「近代日本における中央官庁の機秘密文書管理について」
中央官庁の機秘密文書の管理について、規程類の分析から、
機秘密のランクや管理方法が具体化していく過程を明らかにした。

B一牛ゆかり「「愛媛県宇和島市三浦公民館文書」の目録編成」
三浦公民館文書の成立過程を紹介したうえで、様々なアクターによる文書が
混在する文書群を、どのように構造分析したかについて紹介した。

C藤本大士「日本における医療アーカイブズの現状」
日本の医療アーカイブズについて、医学・医療の動向と関わらせつつ、
施設の設置状況や議論の現状を紹介し、今後の展望を示した。


2 報告・議論へのコメント
・Archival Scienceでは、アーカイブズ、レコード、シリーズなど
 基本的なタームに定義がしっかりと付与されています。ひとまず
 その点を押さえられれば、もっと議論が深くなると思いました。
・歴史的観点からのアーカイブズだけでなく、実務上の課題にも言及
 した議論が欲しい。記録を収集したはよいが、運用の課題をどう解決
 するかが大切である。

3 修了論文報告会へのコメント
・こうした取り組みが、アーカイブズの文化を拡げてゆくきっかけに
 なると思います。ご準備にはご苦労も多いかとは思いますが、是非
 続けていってください。
・アーカイブズについての知識について皆無の状態で参加しましたが、
 史料を残そうと一生懸命努力していらっしゃる方がたくさんいることが
 よくわかり感銘を受けました。
・昨年度より人が多く、様々な分野の報告が聞くことができて、良かった
 です。来年度以降も可能な限り参加したいと思います。
・アーカイブズというものを結節点として様々な分野の方が集まる会に
 していけたらいいと思います。
・「アーカイブズ」というものについて改めて考え直す機会となりました。
・どの報告も勉強になりました。今後の若い方々の活躍を期待いたします。
 アーキビストのネットワーキングの機会として今後も続いてほしいです。
・今年アーカイブズカレッジに参加したいと考えていたので、イメージが
 わきました。
・アーカイブズが一般にもっと知られるよう活動の継続を願います。
・皆さんのご報告を伺い、大変勉強になると共に、今後のモチベーションにも
 繋がりました。
・興味深くわかりやすい報告で、アーカイブズに対する関心がより強くなり
 ました。
・途中から参加でしたが、年々盛会になるのがたのもしい限りです。
・益々の充実ぶり、よかったです。来年もたのしみにしております。
・このカレッジのことを存じ上げなかったので、受講した方の報告を聞けて、
 雰囲気を知ることができました。
・それぞれの関心に基づいての発表があり、非常に興味深かったです。
・アーカイブズカレッジとはどんなことをするのかを知りたくて参加しました。
 内容の濃い会でした。学ぶことは多いです。


以上です。


アーカイブズカレッジの受講を考えており、様子を知りたくて、
聴きにいらしたという方が年々増えており、
主催者側として、とても喜ばしいことと感じております。
また、アーカイブズ学入門者と関係者のネットワーキングの場にもなっており、
多様な出会いが生まれるのもこの会の魅力であると、
皆さまのご感想から教えられています。

2014.05.12:archives

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