さがえ九条の会

 太平洋開戦日の12月8日、さがえ九条の会主催による「映画とお話の夕べ」がハートフルセンターにおいて開催されました。
 夕べは、井上ひさし氏ら「九条の会」9氏全員の訴えや元日本兵の証言などで構成された映画「9−NINEー憲法9条は訴える!」を見た後、山形童話の会代表・山形県九条の会よびかけ人の鈴木実氏が講演しました。講師が受けた当時の皇民教育や戦争体験とともに、戦後、「弾道下の村」と呼ばれた現村山市の大高根基地闘争を題材に描いた共著「山が泣いている」など、手がけた児童文学作品の経過、安保闘争などの経験などを話されました。「改憲され戦争する国になれば、実際戦争するのは子どもたち。子どもが最大の被害者だ。未来を担う子どもたちに平和な社会を残すのは大人の責任」と強調。参加者も決意を新たにしました。なお、「毎日新聞」「しんぶん赤旗」「寒河江あちこち」などが取材にきました。


 「正男ーー、正男」
 清一も声かぎり呼びながらさがしまわった。やぶに足をとられて、思わずころびそうになったときだ。目の前に、泥と血にまみれた一本の腕がころがっているではないか。全身の血が、すうっと引いてしまったようで、身うごきできなくなった。足ががたがたふるえる。のどがからからにかわき、舌がひっついたみたいで、声もでない。少しはなれたところに、正男のきていたふくがちぎれてとんでおり、そのそばに、赤い肉片があった。
第1回日本児童文学者協会賞受賞
「山が泣いている」より


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