さがえ九条の会

 村山市岩野に万歳石というものがある。万歳石は、村上定治郎さんが、1935(昭和10)年頃、水田から発掘した、長さ1・5m、幅1・4m、高さ0・5mほとの自然石で、上面は平坦な半円形である。正面の「万歳石」は、内閣総理大臣佐藤栄作書。側面の銅板には「われわれは体験した 戦争は不幸を生み平和は繋栄をもたらすことを…出征者はこの石の上に立って送ってきたむら人のばんざいの声に応え最後の挨拶をすることを例とした」とある。
 
 軍国の教育を受けた若者のなかには「蒋介石の首を取ってくる」と言った人もいたという。解説文には「太平洋戦争には123名の出征者があったが、戦没者は24名に達した」と記されている。定治郎さんの長男もシベリアに抑留され、戦病死した。万歳石は戦争の悲しみと怒りの象徴で在る。憲法9条が危ない今、岩野の路傍の石の重みを再認識したい。
 
 宇野修平(西根・郷土史家)



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