Facebookページ「山形県の在来作物と東京レストラン」

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 Facebookページ「山形県の在来作物と東京レストラン」さんが、アグリパークZAOの「蔵王かぼちゃ」の画像を使って素敵な記事を書いてくださいましたのでご紹介します!



『 蔵王かぼちゃ 』(「山形県の在来作物と東京レストラン」より)

「かぼちゃ」にも「にんじん」同様に西洋と東洋がある。日本で栽培されている主要な食用かぼちゃは16世紀半ばに九州に伝わり、西日本各地に土着したニホンカボチャと、幕末から明治にかけて導入された欧米の品種が北海道、東北などに土着したセイヨウカボチャに分けられる。「蔵王(ざおう)かぼちゃ」はその形状、性質からセイヨウカボチャに属する。
この「蔵王かぼちゃ」はそのチャーミングな見た目から「へそかぼちゃ」とも言われており、果実は花が落ちた部分から直径10㎝のドーム...状に盛り上がりかわいい「でべそ」となる。

また、そのかわいらしい見た目とは裏腹に実に硬い。別名「まさかりかぼちゃ」とも言われ、マサカリやナタ、かなづちを用いないと割れないほどだ。

しかし、だからこそ収穫した9月頃から2月、3月まで長い期間貯蔵できるのであろう。長期間保存可能というのは雪深いこの地域において、非常に重要な役割を担ったはずだ。作物が取れない厳しい冬の間にはそれはそれは貴重な作物だったと思われる。また、食味はかなり評判がいい。ホクホク感と上品な味。近年、再出荷された東京築地市場でも認められるほどだ。

「蔵王かぼちゃ」は今から約70年ほど前から栽培が始まった。その由来は蔵王山ろくの成沢地区の農家へ嫁入りの際に実家から持ち込まれた種子からだと言われている。

常々思っていたことだが、在来作物は女性の力が大きく関わっている。有名な「白山だだちゃ豆」も嫁入りをきっかけに他の地区に種子を持ち込んだことから始まる。
当時の嫁入り道具の一つとして「タネ」の存在があった。この「タネ」を持っていきさえすれば新しい土地でも暮らしていけるという親の愛情が込められていたに違いない。
つまり「生きるための作物」だったからこそ、別の土地へ嫁入り道具の一つとして持ちこまれ、栽培され、新たな種が生まれてきたのだ。

在来作物は何も過去の作物のことだけを指すわけではない。「蔵王かぼちゃ」のように人々の作物を大切にしていきたいという想いがあれば、これからも未来に新たな種は必ず生まれる。そして、私たちはさらに多様化された食文化をもっと楽しめるに違いない。


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2012.12.20:agrizao:[蔵王かぼちゃのスープ]