3月の卒業式のこと
新年度になってからしばらく経ちますが・・・嬉しいことが、ありました。 3月中旬は職場の卒業式でした。 コロナの影響で昨年まで大きな会場での式典が中止だったため、久しぶりに華やかな雰囲気の中で学生さん達を送り出すことができました。 今年は学校の代表として私が教えている留学生の学科の学生さんが卒業証書を授与しました。たくさんの学生さんがいる中で、本当にすばらしいことです。 私は誘導係で、3階から彼女の晴れ舞台を見守りました。持ち場から写真に撮ってみたけど残念ながらとても小さくしか写っていませんでした でも、壇上近くで見ていた先生があとで私に教えてくれました。 「あんなに大きな舞台で日本人だって緊張で委縮するだろうに、彼女はスッと立って、阿部先生が教えた気をつけをして、背筋を伸ばして、とってもきれいなお辞儀をしていましたよ。本当に立派でしたよ。いつもやっているからこそ、ああいう場所でも堂々とできるのですよね。先生の教えたことが身についているんですよ」 それを聞いて、なんだか報われた気がして胸が熱くなって、泣けてきました。 日本語学校を卒業して専門学校に入ったばかりの学生さんが驚き、戸惑うのは一つひとつの所作です。気をつけの姿勢、おじぎの角度、タイミング、ちょっとした声がけや敬語・・・日本人なら知らず知らずに身についていることを、外国人が理解し実際にできるようになるということは、日本人の皆さんが思っているよりそう簡単ではないです。 でもね。 私が担当した学生さんの誰があの壇上に立ったとしても、美しいお辞儀ができるはずだと思ったんです。だって、私は彼らが美しいお辞儀ができるように日々努力しているのを間近で見てきたのですから。。。。。 就職センターから教務部に異動して3年が経ちました。 外国人(しかも何百人単位)にビジネスマナーを教えることが、想像していたものよりはるかに難しいことだということを肌で実感し、自分なりにあーでもない、こーでもないと試行錯誤しながらがむしゃらに走ってきました(もちろん今も絶賛苦戦中ですけど) 「学生さんが頭でわかるだけではなく、実際にできるようになる」 これが私の教員としての目標で、職務を全うすることが一つの節目になると思っていたので、それが形になったと実感できたことを嬉しく思いました。 ああ、よかったな。もう思い残すことはないや。 みんな、卒業おめでとう。 げんきでね。 しあわせになってね。
2022.05.21